ブックタイトル押出法ポリスチレンフォーム断熱材による木造軸組住宅の断熱設計施工マニュアル

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概要

押出法ポリスチレンフォーム断熱材による木造軸組住宅の断熱設計施工マニュアル

8 7-2. 施工上の注意点 断熱材の取付け:押出法ポリスチレンフォームを張付ける際に、断熱材の突き付け部に隙間が生じないように、突き付け部を 柱などの下地材がある部分に合わせて釘留め等で固定します。もし、隙間が生じた場合は簡易発泡硬質ウレタンフォームを 隙間に充填する等で対処します。 断熱材の切断:押出法ポリスチレンフォームはカッター、ノコ等で切断可能ですが、切り屑の地面、周辺等への飛散には注意してください。 防腐・防蟻剤等の選択:押出法ポリスチレンフォームは、アルコール以外の有機溶剤、石油類に侵されることがあります。接着 剤、防腐・防蟻剤の選定にあたっては指定の材料を使用するか、事前にメーカーにお問い合わせください。 電気配線:押出法ポリスチレンフォームは軟質塩化ビニル被覆の電線(VVVFケーブル等)に長期間接触すると、被覆材に含まれる 可塑剤により軟化溶融します。接触が想定される場合は、ポリエチレン製電線管をもちいるなど電線と接触しない対処を実施ください。 紫外線劣化:押出法ポリスチレンフォームは、直射日光に長時間さらすと徐々に表面から変色・劣化し、接着不良、厚さの減 少等の原因になるので、保管にあたっては養生シートで覆い、施工後は仕上げを速やかに行ってください。 火気注意:押出法ポリスチレンフォームは、火気に接触すると燃えます。火気に十分注意すると共に適切に養生してください。 高所作業:高所作業となる屋根の断熱においては、作業の安全性の確保に注意してください。特に防湿フィルムを用いる仕 様では滑り易いので注意ください。7-3. 断熱位置  外張断熱工法の断熱位置は、表7-1のA,B,C,Dの組み合わせがあります。本工法が開発された当初は屋根外張・壁外 張・基礎外側断熱で実施されていましたが、無落雪屋根の煩雑な施工や作業の安全性、深い軒先対策として桁上断熱が 実施されるようになりました。また、シロアリ被害が散見されるようになり、その対策として基礎内側断熱や床断熱との組み合 わせでも実施されるようになりました。  断熱位置の組合せと工法概要を表7-1に、床部の断熱工法と措置を表7-2に示しました。表7-1 断熱位置の組合せと工法概要屋根外張断熱気密・断熱層をたる木の外側に設ける方法で、垂木間に断熱する充填断熱に比べ気密層の連続性が図り易い工法です。切妻屋根では施工が比較的簡易ですが、屋根形状が複雑になるにつれ、通気確保が煩雑になります。この対処としてⅡ地域以南では、押出法ポリスチレンフォームの室内側に住宅用プラスチック系防湿フィルム(JIS A 6930)を施工することが有効です。桁上断熱小屋裏桁上の天端高さを揃え、その上に下地材を介して断熱材を施工する方法で、小屋裏空間を利用しない場合などに有効です。天井材の上に断熱施工する天井断熱に比べ気密層の連続性が図り易く、外壁及び間仕切り壁との取り合い部の気流止めも不要になります。壁外張柱等構造材の外側に気密・断熱層を設ける方法で、防湿・気密・断熱施工が容易で断熱工事に不慣れな技術者でも安定した性能を確保できること、構造材の熱橋による影響をほとんど受けずに断熱化できること等が特徴です。また、断熱材の目地を防水テープで措置することで、透湿防水シートを施工しなくとも住宅瑕疵担保責任保険に加入できます。(4ページ 6-1参照)床断熱基礎断熱に比べ、気密・防露措置が煩雑ですが、高床の住宅やシロアリ被害が懸念される地域で選択される場合があります。一般部の気密・防露措置に併せて外壁及び間仕切り壁との取り合い部での気流止め措置や基礎に繋がる金物類の防露措置が必要です。基礎断熱基礎外周立上り部の外側もしくは内側を断熱するとともに、基礎/土台間は土台気密材を施工して気密措置を行います。床下換気口は設けません。床断熱に比べ気密・防露措置が簡易におこなえることと、床下配管のメンテナンス性向上、地盤熱容量活用等の特徴があります。しかし、シロアリ被害が懸念される地域では、断熱材中をシロアリが食害して這い上がり躯体が食害されることがあります。この対処としては、基礎をべた基礎にするとともに防蟻断熱材や防蟻断熱工法等が対処します。(9ページ)A屋根外張壁外張基礎屋根・天井壁基礎・床B桁上壁外張基礎C屋根外張壁外張床D桁上壁外張床小屋裏換気小屋裏換気床下換気床下換気