ブックタイトル押出法ポリスチレンフォーム断熱材による木造軸組住宅の断熱設計施工マニュアル

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概要

押出法ポリスチレンフォーム断熱材による木造軸組住宅の断熱設計施工マニュアル

2 2. 断熱仕様と室内温度の計算例 押出発泡ポリスチレン工業会では外部に委託して、住宅の断熱性能と暖冷房負荷について、建設地を東京として動的熱負荷計算プログラムでシミュレーションしました。その結果をグラフー1に示します。 住宅性能表示制度の省エネルギー等級4相当の住宅では、等級2相当の住宅の36%、等級3相当の住宅の22%の暖冷房負荷を削減できる結果となりました。さらに等級4相当の3地域仕様の住宅にすると、それぞれ50%、36%削減できる結果となりました。 また、このシミュレーションにおいて、冬期の早朝の1Fトイレ(非暖房室)温度を比較すると、等級4相当の住宅の温度は13℃を超えており、さらに等級4相当の3地域仕様では15℃を越え、温度が高い状態が維持されています。一方、等級2、等級3相当の住宅では10℃を下回っており、温かい部屋から寒い部屋への移動による急激な温度変化により、健康に悪い影響を与えることが予見されます。3.押出法ポリスチレンフォームによる木造住宅の断熱 押出法ポリスチレンフォームは、その特性から木造住宅の断熱材として各部位に使用されています。その中で本資料では主に、外張断熱、床充填断熱、付加断熱工法について記載しています。1)外張断熱工法 外張断熱工法は、鉄筋コンクリート造、組積造等構造躯体の熱容量の大きい住宅を除く構造において、構造躯体の外側に押出法ポリスチレンフォーム等を用いて断熱層を構成する工法です。当初は床部の断熱は基礎外側断熱で行われておりましたが、温暖地ではシロアリによる蟻害の対応として、基礎内側断熱や床断熱でも実施されています。充填断熱工法に比べ、断熱・防湿・気密施工が容易なこと、施工法が明解で断熱工事に不慣れな技術者でも安定した性能を確保できること、構造材の外側に断熱層を形成すること、熱橋による影響をほとんど受けずに断熱化できることなどが主な特長です。2)床充填断熱工法 床構造材(根太、大引き)の空間に断熱材を充填する工法です。押出法ポリスチレンフォームは強度が高く断熱材の垂れ下り等が生じにくく広く使用されています。外壁や間仕切り壁と床との取り合い部には気流止め材の設置、防湿・気密層の施工には注意が必要です。3)壁付加断熱工法(充填+外張断熱) 寒冷地(1~2地域)等で高い断熱性能を確保するため、壁等の柱間に断熱材を充填すると供に柱等の外側に押出法ポリスチレンフォームを外張りする施工法で、壁厚さを抑えつつ断熱性能を高くすることができます。100%81%64%50%30,00025,00020,00015,00010,0005,0000暖冷房負荷[MJ/年]グラフ-1 住宅の断熱仕様と年間暖冷房負荷等級2相当 6地域仕様等級3相当 6地域仕様等級4相当 6地域仕様等級4相当 3地域仕様冷房負荷暖房負荷断熱仕様20151050グラフ-2 断熱仕様と1Fトイレ温度(1月25日6時)断熱仕様 等級4相当 3地域仕様 等級4相当 6地域仕様 等級3相当 6地域仕様 等級2相当 6地域仕様※7. 換気回数:等級2は1.5回/h、その他は0.5回/hとした。※8. 表中のR:熱抵抗(㎡・K/W)で値が大きいほど断熱性能が高い。※9. 表中のU:熱貫流率(W/㎡・K)で値が小さいほど断熱性能が高い。※10. 表中の( )内はR値に相当する断熱材の種類、厚さ13.6515.569.97 8.52※1. 使用プログラム:AE-CAD、AE-Sim/HEAT※2. 使用気象データ:拡張アメダス気象データ(SMASH形式)/日本建築学会※3. 住宅プラン、各種スケジュール、生活条件:省エネ法の住宅事業建築主基準で示された条件※5. 暖冷房負荷:暖冷房運転時に室温を設定温度(20℃)にするのに必要な熱量。※6. 断熱仕様:住宅性能表示制度の省エネルギー対策の等級。等級が上がるほど  性能が高い。地域は寒冷地域が1、温暖地域が8で全国8地域に分類され、東京は6地域。  各等級の性能・仕様は下表参照断熱仕様等級2相当6地域仕様等級3相当6地域仕様等級4相当 6地域仕様等級4相当 3地域仕様部位の断熱性能開口部の性能屋根or天井床or基礎外周外壁窓ドア天井断熱R=0.87床断熱R=0.50充填断熱R=0.60U=6.51単板ガラスU=6.51天井断熱R=1.25床断熱R=0.50充填断熱R=0.80U=6.51単板ガラスU=6.51屋根断熱R=2.14(XPS3種60mm)基礎断熱R=1.79(XPS3種50mm)外張断熱R=1.79(XPS3種50mm)U=4.07 アルミサッシ+Low-Eガラス(A12)U=4.07 金属製扉(断熱材充填フラッシュ構造)+複層ガラス(A6)屋根断熱R=4.11(XPS3種115mm)基礎断熱R=3.57(XPS3種100mm)外張断熱R=1.79(XPS3種50mm)U=2.33 樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(A12)U=2.33 金属製扉木製断熱積層構造+Low-Eガラス(A12)