
押出法ポリスチレン
フォーム(XPS)
について
XPSの環境対応について
押出発泡ポリスチレン工業会は、 会員が販売する押出法ポリスチレンフォーム(XPS) 製品を安心してご使用頂けるよう に、押出法ポリスチレンフォーム(XPS)からのシックハウスの原因となる化学物質の放散について、 モニタリング管理に努めています。JISA9521のJISマーク 表示である押出法ポリスチレンフォーム(XPS)のホルムアルデヒド放散特性は、 居室や公共施設などの壁・床・天井に使用可能なF☆☆☆☆区分です。
建材や調度品などから発生する化学物質、カビ・ダニなどによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれています。「シックハウス症候群」は、医学的に確立した単一の疾患ではなく、居住に由来する様々な健康障害の総称を意味する用語とされています。1)
住宅や建築物における高断熱化と同時に高気密化が進んでいると共に、性能を保つため等に用いられる放散性のある化学物質を含んだ建材・内装材の使用等により、新築・改築後の住宅や建築物において、その室内の化学物質による汚染等により、居住者の様々な体調不良が生じている状態が、数多く報告されています。症状が多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明な部分が多く、また様々な複合要因が考えられています。
厚生労働省は、『シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会』2)を設置し、住宅内の空気質調査を元に住宅内に多く見られた物質を中心として、物質の人体に対する影響を考慮して13種類の揮発性有機、化合物(VOC)を挙げています。
揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)とは、普段の生活の中で室内外に関わらず大気中に容易に揮発する沸点が50-100~240-260℃(1atm)の範囲の有機化学物質の総称 3)を指します。
「室内濃度指針値」は、現状において入手可能な毒性に係る科学的な知見に基づいて、「ヒトがその化学物質について指針値以下の濃度の曝露を一生涯受けたとしても、健康への有害な影響を受けないであろうとの判断により設定された値」とされています。指針値を設定することは、その物質がいかなる条件においてもヒトに有害な影響を与えることを意味するものではなく、また、指針値を短期的に超えたとしても、必ずしも健康への有害な影響を生ずるわけではないとされています。
しかしながら、何らかの化学物質の影響との疑いのある身体の不調を感じた場合には、医師等に受診・相談することが望ましいとされています。
2019(令和元)年1月17日には、VOCのひとつである「キシレン」について、指針値が改正されました。VOCの人体へ影響について、いろいろな機関で日々評価が進められています。この科学的知見と照らし合わせて、指針値改正の検討も進められています。5)
なお、厚生労働省から「室内濃度指針値」に関するQ&Aが公開されていますので、合わせてご覧いただけますと理解が深まるものと思います。
シックハウス対策については、法令・規格面からも対策が進められています。居室内において化学物質(ホルムアルデヒド及びクロルピリホス)の発散による衛生上の支障がないよう建築材料及び換気設備の規制が導入されました(平成15年7月~)。
「室内濃度指針値」は、居住空間中の単位体積当たりに存在する化学物質濃度の値を示したものであるため、建材製品から放散される化学物質との関係について、『建材からのVOC放散速度基準』(建材からのVOC放散速度基準化研究会、事務局:建材試験センター)が両者を関連付けて、特に、次の表に示す4VOCについて基準を示しています。
表 建材からのVOC放散速度基準7)
| 対象VOC | 厚生労働省 室内濃度指針値(μg/m3) |
放散速度基準値(μg/m2h) |
|---|---|---|
| トルエン | 260 | 38 |
| キシレン | 200 | 29 |
| エチルベンゼン | 370 | 54 |
| スチレン | 220 | 32 |
さらに、この基準に適合している製品であることの表示について、『建材からのVOC放散速度基準に関する表示制度運用に係わる基本的事項』((一社)日本建材・住宅設備産業協会)が示され、この基本事項に基づいた自主管理基準を設けて運用されています。8)
押出法ポリスチレンフォーム(XPS)においては、その主原料であるポリスチレンに、4VOC(スチレン、キシレン、トルエン、エチルベンゼン)が混入していることが判っています。これは、原料として使用するポリスチレンを製造する際に非意図的に混入してしまうものです。
幣工業会では、XPSからの4VOCの放散速度とXPS中の濃度との関係を実測データから導き出し、会員が『建材からのVOC放散速度基準』及び『建材からのVOC放散速度基準に関する表示制度運用に係わる基本的事項』に適合した製品を提供するために、この基準・基本的事項の範囲内で制定した自主管理基準『押出法ポリスチレンフォーム(XPS)の「4VOC基準適合」表示のための管理基準』に基づいて製品の登録と表示認証を行っています。
「登録製品」は、次の表の通りです。
表 押出法ポリスチレンフォーム(XPS)「4VOC基準適合」の登録製品
| 会社名 | 表示登録番号 | 製品名 |
|---|---|---|
| デュポン・スタイロ株式会社 | XPS-0007 | スタイロフォーム™IB |
| XPS-0008 | スタイロフォーム™TM | |
| XPS-0009 | スタイロフォーム™WX | |
| XPS-0011 | スタイロフォーム™B2 | |
| XPS-0012 | スタイロエース™-Ⅱ | |
| XPS-0013 | スタイロフォーム™EK-Ⅱ | |
| XPS-0014 | スタイロフォーム™GK-Ⅱ | |
| XPS-0015 | スタイロフォーム™AT | |
| XPS-0028 | スタイロフォーム™EX | |
| XPS-0029 | スタイロフォーム™GX | |
| XPS-0031 | スタイロフォーム™FG | |
| 株式会社JSP | XPS-0016 | ミラフォームM1F |
| XPS-0017 | ミラフォームMTS | |
| XPS-0018 | ミラフォームM2F | |
| XPS-0019 | ミラフォームMKS | |
| XPS-0020 | ミラフォームM2RS | |
| XPS-0032 | ミラフォームラムダ | |
| 株式会社カネカ | XPS-0021 | カネライトフォームスーパーE-Ⅰ |
| XPS-0022 | カネライト畳フォーム | |
| XPS-0023 | カネライトフォームスーパーE-Ⅱ | |
| XPS-0024 | カネライトフォームスーパーE-Ⅲa | |
| XPS-0025 | カネライトフォームスーパーE-Ⅲb | |
| XPS-0026 | カネライトフォームスーパーE-BK | |
| XPS-0027 | カネライトフォームスーパーE-AK | |
| XPS-0030 | カネライトフォームスーパーEX | |
| XPS-0033 | カネライトフォームスーパーFX |
出典
1)厚生労働省『科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改訂新版)』
2)厚生労働省『シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会』
3)World Health Organization, 1989. “Indoor air quality: organic pollutants.” Report on a WHO Meeting, Berlin, 23-27 August 1987. EURO Reports and Studies 111. Copenhagen, World Health Organization Regional Office for Europe.
4)厚生労働省『化学物質の室内濃度指針値についてのQ&A(令和7年1月17日時点)』
5)厚生労働省『シックハウス(室内空気汚染)問題に関する検討会中間報告書-第23回までのまとめ(2019年1月17日)』
6)国土交通省パンフレット『シックハウス対策について知っておこう:快適で健康的な住宅で暮らすために』
7)厚生労働省『シックハウス対策>室内濃度指針 一覧(2025年1月17日)』
8)建材から放射するVOCの自主表示に関する検討会(事務局:(一社)日本建材・住宅設備産業協会)『建材からのVOC放散速度基準に関する表示制度運用に係わる基本的事項(2025年1月29日)』
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